こんにちは、足軽こあら(@ashigaru_koala)です。
前回の記事『【エレキギター制作】第三回 ボディの補修と研磨のポイント』の続きです。
研磨作業が無事に終わったので、塗装の工程に入っていきます。
今回は、エキゾチックオイルジェルを使ってオイルフィニッシュに挑戦しました。
作業中の感覚は塗るというより、オイルで拭くといった感じ。
拭く感覚で塗り広げると色ムラが少なく、美しい仕上げになります。
乾燥には時間がかかりますが、光沢感のあるしっかりとした塗膜ができました。
ということで、今回は自作エレキギターのオイルフィニッシュの様子をレポートします。
それでは、いってみましょう。
一本で足りるのか?という疑問
一瓶あれば、無塗装の状態からギター1本を余裕で塗ることができました。
塗り始める前は「60mlで足りるのか?」という不安もありましたが、むしろ余るくらいでした。
これだけの回数を塗っても三分の一くらい残ってます。
他の塗料よりも、リタッチが簡単に出来るそうなので、そのときに使おうと思います。
かなりコスパのいい塗料だと思いましたよ。
塗装には時間がかかる
塗りの作業自体は、一回30分くらいで終わります。
ただ、作業スペースの関係で一面ずつ塗っていくしかなかったため、時間がもの凄くかかりました。
一度塗ると乾燥に最低4時間必要で、1日に2面塗るのが時間的に限界です。
結局、塗装の工程だけで一ヶ月くらい時間がかかりました。
塗った回数
ネック | 6回 |
指板 | 7回 |
ボディ | 7回 |
それぞれ、手で触ってしっかりと塗膜を感じるまで塗った回数です。
正直、ネック本体は「もう一回塗ってもいいかな?」とも思いましたが、サラサラの質感が変わるのが嫌だったので6回でやめました。
ボディの側面はオイルがよく染み込みます。
塗り終わったのかまだなのか、わかりづらい点には注意が必要です。
乾く速度
回数を重ねて(3回目くらいから)塗ると2時間くらいでほぼ乾き、手で触っても大丈夫になります。
指紋もつかないくらいに乾きます。
気温や湿度が関係してくるのかはわかりません。
ちなみに、僕が作業したのは11月の下旬から12月の中旬にかけてです。
ただ、4時間乾燥させてくださいと書いてあるので、どんなに頑張っても作業は1日2回くらいが限度。
この4時間の乾燥時間というのが時間がかかった一番の要因です。
におい
レビューや記事を見て、一番気になっていたのは室内で塗装できるのかということでした。
「本当に大丈夫かな?」と心配してました。
結論、室内でも余裕で作業できます。
塗った直後はスキー・スノボのスプレータイプのワックス、あるいはジッポーのオイルの匂いに近く、道産子の自分には懐かしさを感じる匂いです。
乾いてくるとエゴマ油みたいな匂いがして、1〜2回目の塗装が乾くまでは油が酸化する独特の匂いがします。
僕としては、靴クリームの方が匂いはきついと感じましたね。
なので、靴クリームの匂いが大丈夫なのであれば匂いの問題は余裕でクリアできると思います。
待ち時間のほうが長くかなり根気のいる作業でした。
覚えておきたいこと
ここからは、実際に作業をしてみて共有できることをいくつかご紹介していきます。
キッチンペーパーで塗ることができる
今回の塗装はキッチンペーパーで行いました。
季節的に衣替えシーズンの直後だったこともあって、古いTシャツなどは処分してしまっており、適当な布が手元にありませんでした。
そのため、多少の不安がありながらもキッチンペーパーで代用することに・・・
結果的には、問題もなく作業を進めていくことができました。
きれいに仕上げるコツ
『とにかく薄く、回数を多く塗る』
これがきれいに仕上げるコツです。
一回の量は少なめにして手早く塗るようにするとムラなく塗れました。
ゴム手袋は必須
匂いから明らかに揮発油の成分が入っているので、素手で作業すると手荒れしそう。
作業中はゴム手袋が必需品です。
やすりがけは慎重にやるべき
乾いたら600番のサンドペーパーで軽くなぞる程度にやすりがけと書いてありますが、本当に軽くでいいです。
600番では少し力を入れてしまうと、木肌が出てしまうくらい削れてしまいます。
実際は、1000番よりも目の細かいやすりを使った方がいいと思ったくらいでした。
気をつけないとあっという間に削れていきます。
光沢感のある仕上がりを目指すなら、やすりがけの方向は木目に沿ってかけるべきです。
木目に対して垂直になると艶が消えてマットな仕上がりになります。
仕上がり具合は好みなので、仕上がりをイメージして塗布とやすりがけをしたいですね。
おわりに
最後に仕上がり具合についてお伝えさせてください。
メイプルは木目が目立たなくなりましたが、ボディのアッシュ材はめちゃくちゃ木目が目立つようになりました。
色は、どちらも一段深みが増す感じの仕上がりになります。
もともとの木の色よりも、少し黄色味が増すような色味に仕上がりました。
ここまでは色について解説してきましたが、手触りも気になりますよね?
意外だけど、かなりサラサラの手触りになります。
オイルフィニッシュと聞いて、
「なんかベトベトした仕上がりになりそう・・・」
こんなイメージを持っている人も多いと思いますが、Xotic oil gelで塗装すると大丈夫でした。
そんなわけで、今回の塗装作業は大成功に終わりました。
ずっと欲しかったナチュラルカラーのギターが手に入るのが確定した瞬間です。
この時点で物凄い達成感を感じました。
ありがとうございました。